★昆虫の食事★

種類によって食べ物の好みも様々だけど、みんな美味しそうに食べているよ

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【 アリを食べるアリジゴク 】

ウスバカゲロウの幼虫は「アリジゴク(蟻地獄)」と呼ばれ、軒下などの雨風を避けることのできる、さらさらした砂地にすり鉢のようなくぼみを作ります。そのくぼみの底に住み、迷い込んできたアリやダンゴムシなどの地上を歩く小動物に対して、大あごを使って砂を浴びせかけ、すり鉢の中心部に滑り落として捕らえます。捕らえた獲物に消化液を注入し、体組織を分解した上で、大あごの先にある口器より吸い取ります。飼育環境下でも、砂の入ったケースに入れるとすり鉢状の巣を作り、その中にアリを落とすと捕食の様子を観察できます。

アミメカゲロウ目ウスバカゲロウ科


【 乾燥エビ(クリル)を食べるオオカマキリ 】

カマキリは、前脚が鎌状で、他の小動物を捕食する肉食性の昆虫です。スズメバチやキリギリス、ショウリョウバッタ、オニヤンマなどの大きな昆虫や、ヘビ、クモ、カエル、トカゲ、ミミズなどの昆虫以外の小動物を捕食することもあります。自然界では、生きた小動物しか食べないと言われていますが、飼育環境下では、乾燥エビやソーセージなどを小さくしたものを、ピンセットでそっと口元に持って行くと、鎌状の前脚でつかみ、美味しそうに食べてくれます。スポイトでヨーグルトなどを与えてもよいでしょう。

カマキリ目カマキリ科


【 ハチの子の粉末を食べるカメノコテントウ 】

カメノコテントウは大きなテントウムシで、クルミハムシなどの幼虫を捕食します。飼育環境下でハムシの幼虫の確保が難しいときは、ミツバチの巣より採取した雄を真空凍結乾燥させ粉末状にした「雄蜂児粉末」を餌として与えることができます。体中を粉だらけにしながら、美味しそうに食べています。ナミテントウやハラグロオオテントウなども、この餌で飼育が可能です。

コウチュウ目テントウムシ科


【 冷凍アカムシを食べるギンヤンマのヤゴ 】

ギンヤンマは大型のトンボで、その幼虫(ヤゴ)は水中で生活しています。ミジンコやアカムシ、ボウフラなどを捕食しますが、大きくなるとメダカなどの小魚やオタマジャクシなども捕食します。基本的に生きた餌でないと反応しませんが、飼育環境下ではピンセットを用いて冷凍アカムシを顔の前でゆらゆら動かすと、頭部の下に折りたたまれた下唇(かしん)を素早く伸ばして捕食します。少し透けた体の中を、捕食した冷凍アカムシが飲み込まれていく様子が観察できます。

トンボ目ヤンマ科


【 柿を食べるクツワムシ 】

大型のキリギリスの仲間で夜行性です。マメ科の植物、とりわけクズの葉を好んで食べます。クズの葉は入手しやすいため飼育も容易であるが、野菜やスズムシの餌などの人工飼料もよく食べるので、色々なものを与えて観察してみよう。しばらくキュウリばかり与えて、食いつきが悪くなっていたところ、映像のように柿を与えると、とても美味しそうに食らいついていました。このように飼育環境下で餌に困ることは少ないが、「ガチャガチャ」と大きな声で鳴くので、その鳴き声に耐えながら飼育する覚悟が必要です。

バッタ目キリギリス科


【 キャットフードを吸うクロヒカゲ 】

チョウの口は、クルクルと巻いた口吻なので、花の蜜や樹液などを吸っていると思われがちですが、熟した果物や獣の糞尿を吸ったり、カエルやミミズなどの死体から体液を吸ったりすることもあります。これらはいずれも、通常の食餌からは得られないアルコールやアンモニアの中の成分の一部を吸収しているものと考えられています。映像では、落ちている固形のキャットフードを、口吻で突っついている姿が観察できます。チョウとキャットフードの組み合わせ、考えただけでも面白いですが、実際にこのようなシーンに出会えるのも、身近な自然観察の醍醐味ですね。

チョウ目タテハチョウ科


【 乾燥エビ(クリル)を食べるヒナカマキリ 】

一見、カマキリの幼虫のようにも見えますが、これでも立派な成虫です。日本最小のカマキリで、オスメスともに翅が小さな微翅型です。オスは長翅型と思われていたが、その長翅型を日本では見つけることができなかったため、メスのみで繁殖する単為生殖であると誤解が生じていました。肉食性で、他種に見られないほど敏捷であり、ショウジョウバエの仲間などの小さい昆虫を捕食します。飼育環境下では、オオカマキリなどの他のカマキリと同様、乾燥エビやヨーグルトなどで飼育できます。

カマキリ目カマキリ科


【 冷凍アカムシを食べるヒメオサムシ 】

地上を歩き回る肉食の甲虫です。後翅が退化しており、飛ぶことができません。主に様々な小動物や、時には新鮮な死肉を餌としますが、落下した果実の果肉なども摂食し、雑食性の傾向もあります。鋭く尖った大あごで、小動物の死骸を食べて綺麗にしてくれるので、森の掃除屋とも言われています。飼育環境下では、冷凍アカムシを与えると、ムシャムシャと美味しそうに食べます。

コウチュウ目オサムシ科


【 タケ科の葉を食べるヒメキマダラヒカゲの幼虫 】

ヒメキマダラヒカゲの幼虫は、タケ科のスズタケやチシマザサなどを食草としています。顔はよく見ると、どこか愛らしく感じませんか?チョウの幼虫は、種類によって食草が大体決まっています。図鑑などで調べて、幼虫に合った食草が入手できれば、飼育は比較的簡単です。幼虫から蛹、成虫への過程は、劇的で非常に感動的です。是非、幼虫から飼育してみてください。

チョウ目タテハチョウ科


【 カタツムリを食べるマイマイカブリ 】

日本固有種であるマイマイカブリは、左右の前翅が融合し、後翅も糸状に退化しているため飛ぶことが出来ず、地域毎の亜種に様々な変異が見られます。主に地上を歩き回るが、木に登ることもあり、雑木林の樹液に集まることもあります。カタツムリを見つけると大あごで軟体部に咬みつき、消化液を注入して消化させ、溶けた部分を食べます。前方に細くなった頭部と前胸部は、殻の中に引っ込んだカタツムリを食べるために発達したと思われます。飼育環境下では、カブトムシなどと同じように昆虫ゼリーでも対応できるが、産卵させるためには、カタツムリが必要だと言われています。

コウチュウ目オサムシ科


【 ミカン類を葉を食べるモンキアゲハの幼虫 】

日本に分布するチョウとしては、オオゴマダラやナガサキアゲハと並ぶ最大級の種類で、色は全体的に黒いが、後翅には和名の通り大きな黄白色紋があります。幼虫はミカン類、カラタチ、サンショウ類などのミカン科植物を食草としています。映像の幼虫は、普段は同じ場所にいて、葉を食べるときにだけ、その場を離れて、食べ終えると元の場所に戻ってきます。植物は幼虫に葉を咬まれると、その咬まれた場所(食痕)から化学物質を放出し、自分を守るために幼虫の天敵を呼び寄せると考えられています。そのため幼虫は、なるべく食痕から離れたところに戻り、天敵からの攻撃を回避しているようです。

チョウ目アゲハチョウ科


【 朽ち木を食べるユミアシゴミムシダマシ 】

ゴミムシと聞くと良い印象がないかもしれないが、ユミアシゴミムシダマシはサイズも大きく、渋い黒色がカッコよくも感じます。古い木や倒木で見られます。幼虫は枯れ木の中に穿孔し、トンネルを掘りながら食べ進みます。成虫も朽ち木を食べます。映像では、はじめに触角の手入れを行い、のちに朽ち木を美味しそうに食べる姿が観察できます。

コウチュウ目ゴミムシダマシ科


【 冷凍アカムシを食べるヨツボシモンシデムシ 】

オスとメスで育児をし、幼虫に口移しで餌を与える、珍しい習性を持つ甲虫です。黒とオレンジの装いも、どこかおしゃれな感じがしませんか。小動物の死骸を食べますが、飼育環境下では、冷凍アカムシを美味しそうに食べます。臭い液体を出すことがあるので、手で掴むには覚悟が必要です。また、体には小さなダニが共生しており、そのダニの動きを見ているだけでも楽しめます。

コウチュウ目シデムシ科


【 ノアサガオの葉を食べるヨツモンカメノコハムシ 】

薄い円盤の中央に盛り上がった本体がはまり込んだような形が特徴的なハムシです。ノアサガオ、サツマイモなどの葉を食害する農業害虫でもあります。背面からは顔が見えませんが、映像のように腹側からみると葉を食べる様子が確認できます。食害された葉には、丸い食痕がたくさん出来ます。害虫ではありますが、飼育してみると、愛嬌のある可愛い昆虫であることが判ります。

コウチュウ目ハムシ科