★昆虫の姿 ・ 生態★

とっても変わった姿、面白い動きなど、昆虫は見ていて飽きないね

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【 アゲハモドキの幼虫の白いものを除去してみる 】

白いロウ物質を身にまとっているのはアゲハモドキの幼虫です。このロウ物質は映像のように取り除いても、また分泌されるため時間が経つと元のように戻ります。何のために、このロウ物質を出しているのでしょうか?アゲハモドキの成虫は、ジャコウアゲハというアゲハチョウに擬態していると言われます。ジャコウアゲハは体内に毒を蓄積して、捕食者に中毒をおこさせるため、そのジャコウアゲハに擬態することは、生存していく上で有利に働くのでしょう。面白くて、どこか不思議なチョウですね。

チョウ目アゲハモドキガ科


【 アワフキムシの幼虫の巣作り 】

植物の茎に白い泡状の塊が付いているのを見たことはありませんか?その泡の中には、アワフキムシの幼虫がいるかもしれせん。アワフキムシの幼虫は口針を植物の維管束に刺し、そこの道管を流れる液にわずかに溶け込んだアミノ酸やミネラルを栄養としていると言われています。道管には大量の水分にわずかしか栄養分が溶け込んでいないため、結果として不要な大量の水分が排泄されることになります。この排泄物は、体から分泌された蝋と繊維状のタンパク質が溶け込んでアンモニウム石鹸も生じています。幼虫は尾端を液面の外に突きだして空気を吸い込んだのち、液中に尾端を引き込んで空気の粒をはき出すという運動を繰り返し、排泄物を泡立てていきます。

カメムシ目アワフキムシ上科


【 イチモンジカメノコハムシの幼虫のヨロイ作り 】

葉の上に奇妙なものが付いていました。よく見ると動いているようです。これはハムシの仲間であるイチモンジカメノコハムシの幼虫です。黒いトゲのようなものを背中にかるっているようにも見えます。尾の先端に脱皮殻や排泄物などをつけ、これを背中に向けてそるようにして背中を覆い、外敵から身を隠していると思われます。映像では、排泄物を付け足している様子が観察できます。

コウチュウ目ハムシ科


【 ウシカメムシの吸水 】

前胸部の両端が著しく突出し、それが牛の角のようにみえることから名付けられたウシカメムシです。霧吹きでシュっとひと吹き水を与えてみると、針のような口(口針)で、水滴を吸っていく様子が確認できます。

カメムシ目カメムシ科


【 バタついているオオゴキブリ 】

森林性のゴキブリで、腐朽の進んだ柔らかい朽ち木の中で家族生活を送ります。カブトムシのようにゴツゴツしているので、見る人によっては、かっこよく人気があるとも言えます。映像は、近くを通りかかった際に、大きな連続した羽音がしたため、地面をみるとそこにいたオオゴキブリ。翅を乾かしているのか?飛び立とうとしているのか?正解は、当のオオゴキブリにしか判りません。

ゴキブリ目オオゴキブリ科


【 こちらを見つめるハラビロカマキリ 】

カマキリの顔をよーく観察したことはありますか?もし、観察したことがあるのなら、カマキリがいつもこちらを見ているように感じたかもしれません。黒目が移動し、こちらを見ているように見えるのです。この黒目(黒い瞳)は偽瞳孔と呼ばれるもので、複眼の構造と関係があります。気になった方は、調べてみてください。偽瞳孔は、トンボでも観察することができます。

カマキリ目カマキリ科


【 不思議な姿のヒメカマキリモドキ 】

上半身はまるでカマキリ、下半身はカゲロウやハチのようにも見えます。前脚はカマキリのような鎌構造になっていますが、カマキリが鎌を胸の前に構えるのに対し、カマキリモドキは胸の横、腕より後ろに構えます。体色は黄色のものが多く、スズメバチに擬態しているのではないかとも言われています。場所によっては、灯火採集のライトによく飛来します。

アミメカゲロウ目カマキリモドキ科


【 キマワリの蛹の背中に透けて見える背脈管 】

昆虫の体のつくりは、私たち人間とは異なります。私たちの心臓に相当する箇所は背脈管と呼ばれています。背脈管は、腹部から頭部に向かって体液を送りますが、前方が私たちでいうところの大動脈、後方が心臓に相当します。映像は、キマワリの蛹を背中から見たところですが、背中の中央を走るようにうっすらと背脈管をみることができます。体液が頭部の方向に送られているのが判ります。

コウチュウ目ゴミムシダマシ科


【 一生懸命なジョウカイボンの幼虫 】

寒い冬に池の近くの石の下で見つけた幼虫。調べてみると、ジョウカンボンの幼虫でした。飼育環境下では冷凍アカムシを餌とすることが出来ます。映像は、冷凍アカムシをケース内に置いた直後のものです。餌の臭いがしたのでしょうか。幼虫は冷凍アカムシに近寄ってきます。そして、その途中にあった障害物を取り除こうと一生懸命。愛らしい仕草を見せてくれました。

コウチュウ目ジョウカイボン科


【 チョウ達の吸水行動 】

色々なチョウ達が吸水しているシーンを集めた映像です。なぜ、このような吸水行動をとるのか?はっきりとは判っていませんが、体温調節のためという説や、吸水しているのが殆どオスであるということから、メスを探して活発に飛び回るために必要な栄養素とされるナトリウムを補給するためであるという説があります。

チョウ目


【 仲間を綺麗にしているのかな?ニホンミツバチ 】

ニホンミツバチの巣箱の出入口の様子です。たくさんのハチが出たり入ったりしていますが、その中に少しくたびれたような姿のハチがいました。そのハチのことを、他のハチ達が舐めているように見えます。もしかしたら、汚れた体を巣に入る前に、綺麗にしてくれているのかも。昆虫の観察を続けると、普段は見せてくれない姿を私たちに見せてくれるかもしれません。

ハチ目ミツバチ科


【 背中で歩く!?ハナムグリ類の幼虫 】

とても奇妙な歩き方ですよね。地表で背面を下にして体を真っ直ぐに伸ばし、背面に密生する剛毛を地面に引っかけながら蠕動し、かなりの速さで移動します。何故このような移動方法をとるのか?理由は判りませんが、ちょこんと付いた短い脚を使った歩行より、このように背中歩きした方が、確かに移動速度が速い気がします。

コウチュウ目コガネムシ科


【 昆虫はとっても綺麗好き!ハラグロオオテントウ 】

昆虫を観察していると、6本の脚を上手に使って、体の色々なところを触っている場面によく遭遇します。実は、昆虫はとても綺麗好きなのです。体を綺麗に保つことで、感覚器官が正常に機能するようにします。そうすることが、自分の身を守ったり、パートナーと出会う機会を増やす結果となります。私たち人間より、よっぽど綺麗好きじゃないかとすら感じます。

コウチュウ目テントウムシ科


【 ヒメツチハンミョウの交尾前行動 】

幼虫が大冒険をすることで、その筋の方々には有名なツチハンミョウ。映像の場所では、春先に多くのヒメツチハンミョウが見られます。よく見てみると、重なり合った上の個体が、下の個体の頭部を舐めるような行動をとっていました。調べたところ、これは交尾前行動のようです。オスがメスの頭部を舐めて刺激を与えることで、発情させているのでしょうか?ヒメツチハンミョウは、その体液にカンタリジンという成分を含んでいるので、触る際には注意が必要です。ヌカカのようなハエの仲間が、カンタリジンを求めて、集まっているのも確認できます。

コウチュウ目ツチハンミョウ科


【 臭角を出すモンキアゲハの幼虫 】

アゲハチョウの仲間の幼虫には、臭角という独特のにおいのする角を出すものがいます。映像では、臭角を観察するため、意図的に幼虫に刺激を与えています。この臭角は、天敵を驚かす役目や、嫌な臭いを出して「自分は美味しくないよ」と伝える役割があると考えられています。臭角を見るためといって、何度も何度も繰り返し刺激を与え続けると、幼虫が弱ってしまうかもしれません。優しく観察するようにしましょう。

チョウ目アゲハチョウ科


【 寄生されたルリタテハの蛹 】

採集してきたルリタテハの蛹が、もうすぐ羽化するだろうと、ビデオカメラをセットして見守っていました。そのとき、蛹から思いもよらぬものが出てきたのです。寄生バエの幼虫でした。そのウジ虫は、粘液を伝ってゆっくり地面に降りていきました。一緒に見ていた子ども達もかなりの衝撃を受けたようです。でも、自然界とは厳しい世界です。今回の寄生バエのような虫もいるからこそ、種間のバランスが保たれているのです。そのバランスが崩れてしまったとき、関係している全ての生き物がいなくなってしまうかもしれません。

チョウ目タテハチョウ科