★昆虫の変身★

華麗なる変身を遂げる昆虫たち、その瞬間を見てみよう

画像をクリックすると、映像を見ることができます

【 アブラゼミの羽化 】

セミの幼虫は羽化が近づくと、白い目が黒くなってきます。長年暮らした地面から出てきた幼虫は、木や壁などを登り、脚先の跗節でしっかり体を固定します。夕方、羽化のために地上に出てきた幼虫を見つけて、優しく自宅に持ち帰れば、部屋のカーテンなどに掴まらせることで羽化をじっくり観察することができます。翅が茶色のアブラゼミ。翅が油紙を連想させるとか、鳴き声が油を熱したときにはねる音に似ているとか、そんな理由で名前が付いたようです。私たち日本人には、昔から親しまれており、特に珍しいとは感じませんが、翅全体が不透明なセミは世界でも珍しいようです。

カメムシ目セミ科


【 イシガケチョウの蛹化 】

イシガケチョウは、白色ベースの翅を持つ、ひらひらと舞うように飛ぶチョウです。その翅は美しい模様をしており、羽化したばかりの翅を広げた成虫をみた人が、「これは本物のチョウ?ブローチみたい!」と言ったほどです。幼虫は、イヌビワなどの葉を食べます。飼育中の幼虫が、飼育ケースの蓋からぶら下がったら、蛹化が始まります。ぶら下がった体をくねらせて、幼虫時に着ていた服を上手に脱いでいきます。幼虫時代の可愛い頭部の殻は、地面に落下します。

チョウ目タテハチョウ科


【 カブトムシの蛹化 】

カブトムシの幼虫は、本来であれば、土の中に蛹室を作り、その中で蛹になりますが、映像では観察するために、蛹化前の幼虫を地面に出しています。蛹化前になると、白っぽかった体色が茶色がかり、体がしぼんだような状態になります。その状態で暫くじっとしているのですが、しだいに蠕動運動がはじまり、その間隔が短くなっていきます。蛹化した蛹にも、オスの場合は角がありますが、最初は縮んだようになっている角も、時間の経過と共に長く伸びていきます。

コウチュウ目コガネムシ科


【 カブトムシの羽化 】

蛹化の紹介でも記載しましたが、カブトムシは本来、土の中に蛹室を作り、幼虫から蛹、蛹から成虫へと変身(変態)します。映像では、観察しやすくするために、人工の蛹室を作り、その中に蛹を入れておきました。羽化を迎える蛹は、その体色がどんどん濃くなっていきます。そして、羽化が始まります。羽化直後の成虫の体色は、翅が真っ白ですが、時間の経過と共に、色が濃くなっていきます。初めは成虫の体はとても柔らかいので、体が硬く丈夫になるまで蛹室の中でじっと過ごします。地上に出てくるのは、羽化後2週間ほど経過してからと言われています。

コウチュウ目コガネムシ科


【 キアゲハの蛹化 】

キアゲハの幼虫は、とても特徴的な模様を持っているので、他のアゲハチョウの仲間とは区別しやすいです。食草もセリ科で、他のアゲハチョウの多くがミカン科を好む点と異なっています。蛹化する場所を見つけた終齢幼虫は、まず糸を丹念に吐いて、お尻をくっつけるための糸座と呼ばれるものを作ります。糸座にお尻をくっつけたら、今度は帯糸と呼ばれる、ベルトのようなものを作り、その輪の中に体を通します。帯糸に寄りかかるようにして体が安定したら、蛹化の準備は完了です。蛹化の様子は、映像でお楽しみください。

チョウ目アゲハチョウ科


【 ゴマダラチョウの羽化 】

ゴマダラチョウは、黒地に白のまだら模様が特徴的な中型のチョウです。雑木林の樹液などに来ている姿をよく見かけます。幼虫は、エノキなどを食草としており、飼育も比較的簡単です。イシガケチョウと同様に上からぶら下がるタイプの蛹で、これを垂蛹と呼んでいます。羽化を控えた蛹は、蛹の殻と中身の間に出来た隙間により、白っぽくみえる状態になります。羽化の最中には、赤っぽい色の液体状のものが排泄されますが、これは蛹便とか羽化液と呼ばれるもので、成虫にとっては不要なものです。

チョウ目タテハチョウ科


【 サツマニシキの羽化 】

枯れ葉に包まった、どこか餅のような物体は、サツマニシキの作った繭です。幼虫はヤマモガシを食草としており、成虫は昼間に飛び、ヒヨドリバナなどで吸蜜します。皆さんが蛾に持っているイメージはどんなものでしょうか?蝶も蛾も同じチョウ目の仲間ですが、一般的に蛾のイメージは、どこか地味で暗く、あまり良いものではないかもしれません。しかし、サツマニシキの成虫の姿を見れば、そのイメージも良い方向に変わるのではないでしょうか。

チョウ目マダラガ科


【 ナナホシテントウの蛹化 】

赤色の鞘翅に7つの黒い点を持つナナホシテントウ。誰でも知っているテントウムシといえば、このナナホシテントウではないでしょうか。幼虫・成虫ともに、アブラムシを食べる益虫でもあります。成虫を触ると、独特の臭いのする黄色い体液を出します。蛹化の様子は、映像のとおりです。幼虫の皮を脱いだあと、雄叫びを上げるかのように伸びをする姿が印象的です。

コウチュウ目テントウムシ科


【 ナミテントウの孵化 】

小さな卵から、小さな幼虫が孵化しました。ナミテントウの幼虫です。ナミテントウの成虫には、多くの種類の斑紋があり、「これもナミテントウ?」と迷うことが多々あります。ナミテントウは、雄蜂児粉末という人工飼料でも飼育することが出来ます。成虫を採集してきて産卵させ、卵→幼虫→蛹→成虫と、飼育・観察を楽しんでみるのもよいと思います。

コウチュウ目テントウムシ科